南島原・原城跡

飯嶋和一の「出星前夜」を読んでから南島原を訪ねてみたいと思っていたのだが、仕事の関係で始まった長いお付き合いのある方々と熊本に行く機会を得たので、南島原に足を延ばしてきた。16世紀にポルトガルとの貿易で栄え、17世紀初めの幕藩体制の確立と共に交易の自由を失い、キリシタン弾圧に乗じた重税と苛政に抗った1637年から1638年にかけの島原の乱で2万人を超えると言われる人たちを失い、その後様々な地域からの植民を受け入れた歴史を持つこの土地は、この日は強い風が吹き、時折晴れ間が覗いたり軽く雨が降ったりと目まぐるしい気候だったけれど、南に広がる穏やかな島原湾の向こうに天草を望む静かな土地だった。388年前に落城した頃とちょうど同じ時節の原城跡では、訪れる人もまばらな中、当時はなかったはずだが、ソメイヨシノの桜が満開の時期を迎えていた。

原城本丸跡を望む
原城二の丸跡から有家方面を眺めて