
Books: 開玄堂が無料でご提供する中・短編の作品です。
Photos: Please enjoy photos of “Central Tokyo, North” “Koishikawa Botanical Garden” “Nozori Lake” “Travels in Japan” and “Travels Abroad.”
Blog: 読書、映画、演劇、音楽、美術、写真、遠出などに関する日々の雑感です。
************************
Booksから
「父の死・開玄堂」の冒頭部分

************************
From Photos

************************
最近のBlog
- ルックバック
TOHOシネマズ宇都宮で是枝裕和監督の「ルックバック」を観た。知人がこの映画の制作に関わっていたこともあり、早めに映画館に足を運びたいと思っていたことと、シルバーウィークに一日くらいは東京を離れてみようか、という企画が結びついて奥さんと宇都宮の映画館で観ることになったのだけれど、有名餃子店の数時間待ちの行列に並ぶ気にはなれず、二荒山神社の参拝やオリオン通りの散歩だけではやや物足りない、そんな気分を一気に吹き飛ばしてくれる素晴らしい映画だった。図式的に眺めると、外向的で読者を楽しませることを得意として歓びを感じる顔と、内向的で職人的な技を大切にする顔、そんな両面の出会いが作品を生み出していた幸福なアマチュア時代をプロとなったクリエイターが振り返り、当時の自分からなぜ作品を創り続けるのかを問われる、その問いに向き合うことを引き受ける、そんな印象を受けるのだけれど、そうした図式的な理解には還元できない魅力がこの映画にはたくさん詰まっていて、ひとつひとつを挙げていくと限がないのだけれど、個人的な大切な想いを丁寧に磨きあげて形にしたものを受け取ったという気持ちになるひとつの大きな要素は、舞台となっている秋田の風景なんだろうな、と思う。奥さんもこの映画のことが好きなようで、東京に戻る帰りの車の中や、帰宅してお酒を飲みながらいろいろと話したりして、そんな時間を過ごしながら、今の自分が振り返ることができる昔の自分はどこにいるんだろう、自分にも窓に貼りつけられるお札があったりするだろうか、そんなことをぼんやり考えたりした。それから、今回は生憎のお天気で宇都宮を十分には楽しめなかったので、次回はもっと宇都宮や栃木の魅力を堪能したいと思っている。
- 第73回日本伝統工芸展
今年もまた日曜美術館で開催を知り、日本橋三越まで第73回日本伝統工芸展を観にいってきた。昨年に続いて8月末に木曽音楽祭に出掛けてきたからか、特に木工の作品に心を惹かれて、作品数が多い欅の様々な表情を眺めていると、栃、楓、松、榧、黒柿など欅とは異なる雰囲気を感じさせる木々にも様々な表情があるのだろうと想像されて、そのそれぞれの味わいと、それを引き出す技を深く楽しめるようになれたら素敵なことだろうなぁと思えてきた。また、木工に限らず、心を惹かれた作品の作家さんを毎年追いかけられたら、そこからも楽しみを増やせるように思えた。日本工芸会のサイトが充実しているので、ここから楽しみを広げていくことができそうなのだけれど、来年以降に向けた備忘のために、今年の出展作品で惹かれた作品を書いておくと、川北良造、藤塚松星、村田樹彦の木竹工、伊勢﨑淳、小枝真人、平岡朋美の陶芸、岡弘美の人形、安達征良の硝子、近藤亮平の金工、それから日曜美術館でもお馴染みの室瀬和美の漆芸などなど、他にも多くあるのだけれど、来年以降も多くの魅力的な作品に出会えるだろうことを楽しみにしている(7月に亡くなられた伊勢﨑淳氏(人間国宝)のご冥福をお祈りしたい。甥にあたる伊勢崎四兄弟の作品はいくつか日々使わせて頂いている。)。
- 杉本博司 絶滅写真
東京国立近代美術館で「杉本博司 絶滅写真」を観た。杉本博司の写真を初めて観たのがいつだったのか分からないのだけれど、1992年1月に発行されたdeja-vuで「海景」が特集されていたようなので、この頃だったのではないかと思う。もっとも、雑誌に掲載された写真を観ることや、何らかの企画展で数点の作品を観ることはあっても、今回のようにA0判の2倍以上もある大きなプリントをまとめて観る機会はなかった。あらためて「ジオラマ」、「劇場」、「海景」といった有名な作品をオリジナルプリントで観てみると、精緻さや迫力といったものよりも、むしろ何と言うか微妙な緩さというか、コミカルさというか、余裕や楽しさが感じられた。今回の展示では作品の横に杉本博司の言葉と狂歌が添えられていたからかもしれない。時間をかけた慎重な準備と丁寧な仕事の上に成り立っている作品ではあるのだけれど、観る人を突き放したり圧倒したりはせずに、適度な距離感で語り合うような作品に感じられた。