文京シビックホールで原田慶太楼が指揮する東フィルの「響きの森クラシック・シリーズVol.88」を聴いた。1曲目はムソルグスキーの「展覧会の絵」で、東フィルの巧みさを感じつつも、今一つ乗り切れなかった。一昨年の秋に聴いたフランクフルト放送響の演奏は、もっと軽やかで奏者が緩やかに繋がりながら自由に演奏する楽しさや美しさを感じたのだけれど、それと比べると今日の演奏は統率が取れた印象で、指揮者の情熱や力量は感じつつも、昨今の報道で接する世情にやや辟易としていることもあってか、やや演奏から心が離れてしまったような気がする。2曲目は中川優芽花をソリストに迎えたラフマニノフのピアノ協奏曲第3番で、初めてホールで聴く中川優芽花のピアノはナチュラルで魅力的な響きに感じたのだけれど、席がやや後方だったこともあってか、ピアノがオケに完全に埋没してしまう場面も少なくなく、こちらも昨年のダニール・トリフォノフと広響のラフマニノフのピアノ協奏曲第2番の演奏を思い出したりしながら、もう少しピアノを味わいたい気持ちがした。アンコールのシューマン「見知らぬ国と人々」は素敵な演奏だった。