TOPコレクション Don’t think. Feel.

東京都写真美術館で「TOPコレクション Don’t Think. Feel.」を観た。ブルース・リーの言葉「Don’t think. feel! It’s like a finger pointing away to the moon. Don’t concentrate on the finger, or you will miss all the heavenly glory.」と月夜を写した2枚の写真から始まる展覧会は、互いに独立しつつ響き合う5部構成で、中でも「Don’t think. Feel.」と題された第1室は、触覚を手掛かりとする静物の写真から自然、風土、文化を写す長期間をかけた連作まで見応えのある展示で、ゆっくりを時間をかけて楽しませて頂いた。第2室の「家族写真の歴史民俗学」も、写真と家族や社会の構造の関係性に切り込む川村邦光の文章を読みながら写真を読み解く面白さについ長居をしてしまった。その後の展示も充実していて、東京都写真美術館で観た展覧会の中でも熱量が高い展示だったように思える。Don’t thnkと言われているのに、写真を撮る(撮り続ける)ことの意味についてじっくり考えてみないと、という気持ちにさせられた。ややお腹いっぱい気味で、「W. ユージン・スミスとニューヨーク ロフトの時代」にも足を運び、こちらもユージン・スミスの写真家としての生き方を振り返る展示で、ロフト時代というおそらくは戦争やピッツバーグでの仕事で傷つき、疲れ、迷い悩んだであろう時期にスポットを当てているところに誠実さを感じた。

NHK日曜美術館50周年展

東京藝術大学美術館で「NHK日曜美術館50周年展」を観た。日曜美術館の放送は、仕事でお付き合いのあった方に薦められてから偶に見ていたのだけれど、小野正嗣と柴田祐規子が司会を務めるようになった頃から毎週録画して観るようになった。洋画、日本画、版画、彫刻、写真、工芸といった様々な分野の作品に、多くの方々が番組で語ったコメントが付された展示は、多種多様なだけに散漫な印象になりがちな面はあったと思うけれど、番組で接した作品や他の展覧会で観た作品も多く含まれていたこともあって、いつも以上にいろいろなものと繋がる複雑な楽しみ方ができたようにも思えた。日曜美術館のような番組を50年間も続けられてきたことの価値を改めて感じ考える良い機会になったとも思う。展示されていた作品の中では、ルオー、伊藤若冲、室瀬和美、舟越保武、松本竣介、野見山暁治の作品が特に印象的だった。

白河郷、高山、奥飛騨温泉郷

来京した義父母と夫婦で八ヶ岳高原音楽堂でコンサートを楽しみ、八ヶ岳高原ロッジで一泊した後で、白川郷と高山を観光してから奥飛騨温泉郷で一泊し、松本に立ち寄ってから帰京した。移動に時間を取られて足早な観光になってしまったけれど、義父母も楽しんでくれたようだった。白川郷や高山は、3年前に訪れたときよりもインバウンドの観光客が大幅に増加して、風景にも少し変化が生じてきているように感じた。義父が奥飛騨慕情を愛唱していたという理由で選んだ奥飛騨温泉郷では、落ち着いた温泉宿で、古民家の建築や庭の様々な植物、その土地の文化を感じる料理や温泉を楽しませて頂いた。山深い土地なのに歳若く溌剌とした日本人の方々に接客して頂いたことも印象深かった。

小山実稚恵~春、その先へ vol.2

八ヶ岳高原音楽堂で「小山実稚恵~春、その先へ vol.2」を聴いた。来京する義父母を連れてピアノのコンサートに聴きに行こうということになり、このコンサートを選んだのだが、クラッシックを聴く機会が少ない義父母も、ホールのロケーションを含めて楽しんでくれたようだった。演目はシューベルトのピアノソナタ19番と21番で、演奏はおそらく演奏者にとって満足できる仕上がりではなかったと思うのだけれど(そもそも満足できる仕上がりというのはあるのだろうか)、それだけにピアニストの仕事について改めて考えさせられる記憶に残るコンサートになった。アンコールの4つの即興曲(D 935)の第2番と第3番は素晴らしい演奏だった。