Walls & Bridges(東京都美術館)

少し前になるが、東京都美術館で「Walls &Bridges 世界に触れる、世界を生きる」を観た。「記憶という言葉から導かれる不思議な親和性」、「生きるよすがとしてのアート」という紹介に惹かれて足を運んだのだが、作品に接して、これは形を変えた「祈り」ではないか、自分を声高に主張するわけではなく、何かに祈るような姿勢が心を打つのではないか、そんな印象を受けた。

野反湖

野反湖まで日帰りで出かけてきた。最初に訪れたのは1993年のことで、その後、ソロキャンプ、家族でキャンプ、今日のような日帰りと、毎年のように足を運んでいる。朝7時過ぎに着いたときは雨が降っていて、風が強く、湖面に白く波が立っていた。

海、リビングルーム、頭蓋骨(東京都現代美術館)

東京都現代美術館でMOTアニュアル「海、リビングルーム、頭蓋骨」を観てきた。「海」は生真面目なペーソスが面白かったし、「リビングルーム」も丁寧に作られた力作だと思ったけれど、自分は「頭蓋骨」、というかマヤ・ワタナベの作品、特に「境界状態」を一番楽しんだかもしれない。カメラの動き、フォーカシング、それから光と色だけでリズムを持たせた長回しの時間の感覚に、いつもとは違う思考回路が刺激を受けたような気がする。

夢のアンデス

岩波ホールで「夢のアンデス」(パトリシオ・グスマン監督)を観た。先日家族で楽しんだチリワイン「モンテルアルファM(2012年)」が美味しかったこともあったりして、チリのドキュメンタリー映画に出かけたのだが、自分の中ではまだ熟成できておらず、アンデスやサンティアゴの風景、記録映像、5人の話者、エンディングの隕石(そういえばオープンニングも空から降って来る視線だった)などがまだ響き合っていない。チリワインを開ける時に、この映画のことを思い返してみようと思う。

雨(こまつ座第139回公演)

少し前になるけれど、先月下旬、世田谷パブリックシアターでこまつ座の「雨」(作:井上ひさし、演出:栗山民也)を観てきた。原作を読んでから行ったのだが、役者、美術、音楽、演出でここまで作品が豊かに立ち上がるのかと新鮮な驚きと興奮を感じた。たまにNHKのプレミアムシアターを録画して観る程度で、演劇とは縁遠く生きてきてしまったことを、少々勿体なく感じた。