2025年11月の月間走行距離は87.2キロだった。たまに顔を合わせる仕事関係の先輩後輩のランナー3人と今月始めに飲み会をしたところ、自分以外の3人が来年の東京マラソンを走るということで、東京マラソンの後で飲み会をしようという話になり、流石にこのままでは飲み会の参加資格もなさそうだと感じたことから、今月はやる気を出して走る距離が伸びた次第である。とはいえ、フルを完走できるような身体を作るのは無理なので、何とか今シーズン中にハーフくらいは走っておきたいと思っている。
響きの森クラシック・シリーズVol.85
文京シビックホールで小林研一郎が指揮する東フィルの「響きの森クラシック・シリーズ Vol.85」を聴いた。1曲目はソリストに小山実稚恵を迎えたベートーヴェンのピアノ協奏曲第5番「皇帝」、2曲目はベートーヴェンの交響曲第5番「運命」という鉄板のプログラムで、チケットは完売だったらしい。「皇帝」も「運命」もしっかりと築かれて磨かれた演奏で、特に久しぶりに聴く「運命」には、改めてその存在の大きさを感じさせられたりもしたのだけれど、このコンサートの魅力はこの2曲の演奏だけでなく、アンコールにもあったように思える。「皇帝」の後で小山実稚恵が演奏したベートーヴェンの「エリーゼのために」は、自分が弾いてみたり、身近な人の演奏や練習を耳にしたりして親しみのある曲のはずで、そうした個人的な思い出を演奏に重ね合わせることで、会場の一体感が高まったような印象を受けた。「運命」の後のアンコール「ダニーボーイ」には、何と小山実稚恵も参加して(!)、ピアノとオーケストラの心のこもった素敵な一期一会の演奏を聴かせてくれた。隣の席で一緒に聴いた「コバケンが聴きたい」という東北生まれの母も、1歳年上のコバケンが情熱を傾けて指揮する姿に元気をもらったようで、思い出深いコンサートになった。
上原彩子&神尾真由子 デュオ・リサイタル
ヤマハホールで上原彩子&神尾真由子 デュオ・リサイタルを聴いた。チャイコフスキーの「なつかしい土地の想い出」と「ワルツ・スケルツォ」、休憩後にプロコフィエフの「ピアノ・ソナタ第7番」と「ヴァイオリン・ソナタ第1番」、アンコールに「ツィゴイネルワイゼン」というプログラムだったのだが、自分にとって一番の聴きどころは上原彩子のピアノ・ソナタだった。力みのない身体から弾き出される多彩なタッチと重なり合う音色、そして心に響くリズム感。楽譜が読み込めるわけでもなく、良く分からないのだけれども、精緻に作り込まれた曲であることは感じられ、時間をかけて緻密に練り上げられた演奏であることも感じられ、兎に角凄いものであることは疑いない、そんな素晴らしい時間を頂けたことに感謝している。神尾真由子のヴァイオリンはパワフルで、上原彩子のピアノがnon dosageのシャンパーニュだとすると、樽の効いたたっぷりしたシャルドネ、あるいはマルベックといった感じで、相性が良いのか分からないのだけれど、自分の無責任な感想としては、アンコールのツィゴイネルワイゼンが一番しっくりしていたような気がする。上原彩子が来年3月に演奏するベートーヴェンのピアノ・ソナタや、来年1月に日フィルと演奏するラヴェルのピアノ協奏曲も聴いてみたいし、神尾真由子はオケとのヴァイオリンコンチェルトを聴いてみたい気がしている。
東京シティ・フィル第383回定期演奏会
東京オペラシティのTCPO第383回定期演奏会で、高関健が指揮し、ソリストにオンド・マルトノの原田節、ピアノの児玉桃を迎えたメシアンの「トゥーランガリラ交響曲」を聴いた。都内のオーケストラも、最近では新日本フィルや東フィルが演奏し、数年前にはN響や都響も演奏していたようなのだけれど、自分はこの交響曲の録音も聴いたことがなく、初めて聴くことになったのだが、オンド・マルトノとピアノだけでなく、チェレスタ、ジュ・ドゥ・タンブル、ヴィブラフォン、8人の奏者が奏でる各種打楽器を加えた大編成のオケがバランスと統率の取れた音楽を繰り出す様子は大変な迫力で、85分間の演奏を聴き終えた時には軽く肉体的な疲労を感じるくらいだった。ピアノのカデンツァは印象的だったけれども、個々の楽器が歌う演奏というよりも、複雑なリズムと音色のフラクタルが繰り広げられる音楽といった印象で、馴染みの薄い現代的な性格の曲を聴き取ろうとしたことが疲れを招いたのかもしれない。やはり一度聴いただけで味わうことは難しく、録音を聴いてみようと思うのだけれど、このコンサートのライブ録音はCD化されないだろうか。録音されていたようなので、近いうちに発売されないか期待している。
天国の門
東京芸術劇場でイザベル・ユペールのひとり芝居を観た流れで、久しぶりにマイケル・チミノ監督「天国の門」を観た。大学生の頃に名画座で観て打ちのめされた記憶があって、自宅の本棚にはどうやら20年以上前に購入したらしいDVDがあるのだけれど、219分の長さやブラウン管サイズでレターボックス化された映像の小ささが災いしてか、おそらく10年以上は観ていなかった。そんな具合なので、前回観た時に何を感じたり思ったりしたのかはまったく憶えていないのだけれど、今回は、ハーバード大学の卒業生たちが女性たちと数十組のペアを組んで中庭を円舞するシーン、エラがプレゼントの馬車にジムを乗せて街の中心部をグルグルと疾走するシーン、移民たちがロマ風の音楽に乗ってローラースケート場を周回するダンスシーン、その移民たちが銃を持って傭兵たちを包囲し馬車や馬で旋回する戦闘シーン、そして傭兵の救援に現れた州の軍隊が移民と傭兵の間に割り込んで騎乗で巡回するシーンなど、人や馬が輪を描いて回る様子を撮影したシーンが印象的だった。全編を通じて、映像の美しさ、役者とキャラクターの存在感、ストーリーの語り口といったどの点を取り上げても味わい深く、219分がとても短く感じられる。やはり、この映画は映画館の大きなスクリーンで観たい!どこかで上映してくれないだろうか、と思ってネットを見ても上映館があるはずもなく、思わず中古のBlue-rayを購入して(相場は1.5万円から4万円のようだけれど、幸い1万円以下で購入できた。)、映画館には及ばないけれど、大きくなったデジタルリマスター版の映像を80インチのスクリーンにプロジェクタで投影して、再度じっくりと楽しんでしまった。