松江

松江に出掛けるのは3年ぶり2回目で、前回の出張の折に偶々入ったバーの居心地が良かったので、今回はこのバーを訪ねることを楽しみに日の暮れた街に出た。前回はカサベテスの映画の話をした後でイニャリトゥの「バードマン」を勧めらた記憶があり、その後「バードマン」や「レヴェナント」を観た話などしようかと思いながら大橋川の川縁に出ると、東の夜空に中秋の名月が浮かんでいた。
マスターはお店を東京に引っ越すことも考えているそうで、この店を出すなら東京のどの街が良さそうだろうかといった話をしながら、今や貴重品となってしまった久しぶりのハーパー12年(1杯だけ)や他のお酒を味わいつつ、店が混み始めるまでの短くはない時間を愉しく過ごさせてもらった。帰りがけに、ケッチとヨールが愛飲したバーボンの空き瓶をひとつ頂戴した。(そういえば、お店に飾られていたCriterionのBrighter Summer Day(牯嶺街少年殺人事件)のジャケットが格好良かった。)

松江新大橋の上にかかる満月

2023年9月は20キロ+Walk

2023年9月の月間走行距離は20キロだった。今月は東北地方と中国地方の旅行や父の米寿祝いで週末を過ごしたことや、仕事がタイトだったこともあり、ランニングから遠ざかってしまった(9月は投稿も少なかった)。やや涼しくなってきたので、10月は距離を伸ばしたい。

盛岡・遠野・花巻・平泉

奥さんと二人で盛岡、遠野、花巻、平泉を周る3泊4日の旅行を楽しんだ。盛岡市と地元の文京区が友好都市ということもあって出掛けたのだが、東京とは異なるスケールの広がりや、中央との距離を保った文化の在り方など、岩手県の魅力を感じられた旅行だったと思う。それから温泉も、自分は特に藤三旅館の「白猿の湯」を味わい深く感じた。毎年購入している盛岡市黒川のリンゴ園を訪ねたり、ホームスパンのニットやジャケットを購入したり、岩手の方とのちょっとした触れ合いも嬉しかった。好天にも恵まれたが、今年の東北は9月に入っても日中は30度を超える暑さで、真昼の散策は多少身体に堪えた。

遠野、カッパ淵の近くで
花巻、羅須地人協会の跡地から宮沢賢治の「下ノ畑」を望む

2023年8月は60キロ+Walk

2023年8月の月間走行距離は60キロだった。軽い肉離れ?の故障からの回復中で、1日5キロしか走らなかったので距離は伸びなかったし、負荷をかけないスローペースだったけれど、大分回復が感じられてきたので、来月は少し距離を伸ばしてみようと思う。故障防止を考えて購入したGEL-KAYANOを来月から使ってみようと思っている。

親の顔が見たい

東京芸術劇場シアターウエストで劇団昴公演「親の顔が見たい」(作:畑澤聖悟、演出:黒岩亮)を観た。弘前劇場の公演を観られないまま長谷川孝治は亡くなってしまったけれど、畑澤聖悟の戯曲がかかると知って奥さんを誘って劇場に出掛けた。教室に集めれたそれぞれ多少戯画的に誇張されたキャラクターの親たちが、突然の訪問者や展開の変化に揺れ動きながら、いじめ自殺を巡って言葉を闘わせる一幕物の脚本には、偶々乗り合わせた親たちが想定外の激流をラフティングボートで下っていくようなタイトさがあって、緻密に作り込まれている印象を受けた。役者さんたちもそれぞれに魅力的なキャラクターで、楽しみながら息つく間もなく観終えた印象なのだが、それだけに、舞台上でこの舞台限りのどんなケミカルが生まれていたのか、できればもう一度観てみたいと思ったりもしている。いじめについては、5人の中学生が1人の同級生をいじめて自殺に追いやった事件が背景にあるのだが、いじめの原因がもっぱら親にあるとは思えなかった。親たちの誇張された性格は多かれ少なかれ誰の中にもあるもので、むしろいじめがエスカレートしていく前に気付けなかったのか、止められなかったのかという思いが残り、芝居の中で直接的には描かれていない各家庭の中での家族の様子やこれからが、芝居を観終えた後で大きな余白として浮かび上がってきているように感じている。