文京シビックホールでファビオ・ルイージが指揮するロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏を聴いた。1曲目はビゼーの交響曲第1番で、少人数のオケがお互いの奏でたい音楽を分かり合いながら演奏しているような、演奏者と演奏者を繋ぐ見えない幾重ものラインがステージ上の演奏者だけでなく歴史を遡ったコンセルトヘボウの昔の演奏者たちとも複雑に繋がり合って稠密な綾が編み上げられているような、そんな纏まりと厚みのある温かな音に感じられた。編成が大きくなった2曲目のドヴォルザークの新世界は、最初の低弦の数音で王道の迫力が伝わる演奏で、1曲目よりもオケの重心が3センチくらい上がったような勢いと力強さを感じた。数か月前にファビオ・ルイージが指揮するN響の新世界をテレビで観た際に、その軽みを感じさせる繊細な演奏に心を打たれて、今日の演奏も楽しみにしていたのだが、聴き終えて振り返ると、ファビオ・ルイージの新世界でありつつも、コンセルトヘボウの新世界を堪能したような印象がある。アンコールのエフゲニー・オネーギンのポロネーズも、ツアーの最後を締めくくる華やかな演奏で素敵だった。地元のホールにコンセルトヘボウがやって来て素晴らしい演奏をしてくれたことが素直に心から嬉しく、思い出深いコンサートになった。それにしても、オーボエ!!、そしてフルートも、クラリネットも、イングリッシュ・ホルンも、特に木管はそれぞれに音楽を慈しみつつ楽しむ魅力に溢れていて絶品だった!
霞ヶ浦
先日、今日で生まれてから20000日を迎えることを知った。20000日といっても何時もと変わらない一日なのだが、三連休ということもあり、19999日目に香取神宮と伊能忠敬記念館を訪ね、霞ヶ浦を眺めならが10キロばかり走り、土浦花火大会を1時間ほど遠くから楽しんだ。帰宅すると妻と長女はアイドルのライブ、次女は日光から沼田への自転車旅、三女はバイトで誰もおらず、近所の居酒屋に出掛けて「伊能忠敬が日本地図を作り始めたのも20000日を過ぎてからだから」などと大将と話しながら、美味しい料理と日本酒を頂戴した。

The Grand Circle
10月下旬に気の置けない仲間とGrand Circleの旅を楽しんだ。ラスベガスに入り、レンタカーでグランドキャニオン(Thunderbird Lodge泊)、モニュメントバレー(The View Hotel泊)、ザイオン国立公園(Zion Lodge泊、Angels Landingに行くことができた!)を周遊し、ラスベガスに戻る旅は、出会いと好天に恵まれて、期待を数倍する素敵な時間だった。何処も素晴らしかったが、モニュメントバレーは思い出深い場所になった。

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2023年10月は20キロ+Hike
2023年10月の月間走行距離は20キロだった。月始めには距離を伸ばしたいと思っていたのだが、10月下旬にザイオン国立公園のAngels Landingに出掛けることになり、奥武蔵自然歩道や野反湖でハイキングをしたり、身体を休めたりで走らない月になってしまい、月末に10キロ走っただけで筋肉痛が出る始末だった。11月は距離を伸ばそうと思う。
群馬交響楽団第592回定期演奏会
すみだトリフォニーホールで群馬交響楽団の第592回定期演奏会を聴いた。モーツアルトのピアノ協奏曲第23番は、井上道義の指揮で小編成のオーケストラが奏でる生き生きとした室内楽のようなチャーミングな音で始まったのだが、仲道郁代のピアノのテンポが遅い。2楽章の始まりもとても遅い。失礼ながら昔日のトウが立ったプリンセスのマイペースな演奏のように聴こえていたのだが、ふと、井上道義との今日の演奏を1秒でも長く続けたいという惜別の情ではないかと思い至ってから、聴こえ方ががらりと変わった。3楽章はピアノのテンポも上がり、美しい音楽だった。アンコールのブラームスの間奏曲(117₋1)も心に沁みた。メインディッシュはショスタコーヴィチの交響曲第4番で、初めてきちんと聴いたと思うのだが、音楽が流れるというよりもその場に積み重なって世界を立ち上げていくような第1楽章に魅力を感じた。それと比べると、第2楽章はやや単調に感じてしまい、その気分が第3楽章にも影響してしまったかもしれないが、しなやかな線で描き込んでいくような群馬交響楽団の音は素晴らしく、最後まで緊張感をもって演奏を楽しむことができた。演奏後、会場が明るくなっても鳴り止まない拍手に井上道義が何時ものようにユーモラスに応えていた。こんなに元気そうな「天才」井上道義が来年末で引退するのはホントウに惜しまれる。来月の読響とのマーラーの復活、来年2月のN響とのショスタコーヴィチの交響曲第13番のチケットは購入してあるが、その後もできる限り聴きに行きたいと思う。マーラーの9番をやってくれないかなぁ。