始祖鳥記

飯嶋和一著「始祖鳥記」(小学館文庫)を読んだ。去年の秋に日経新聞の文化欄の紹介記事でこの小説を知り、数日後に書店を回った時はどこも売り切れだったので、代わりに「出星前夜」を求めて読み、この作家に敬意と好意を抱いた。飯嶋和...

東海道見附宿

八割方読み進んだ「始祖鳥記」のメインキャラクターである浮田幸吉のお墓や旧居跡が近くにあると知り、出張の仕事を終えた後、JR東海道線磐田駅から3キロほど離れた東海道見附宿を訪れた。駅前でタクシーに乗り、自身も磐田の出身で「...

琉球展(東京国立博物館)

東京国立博物館で特別展「琉球」を観た。義父が奄美大島出身で、義母も両親が奄美大島出身なので、妻は大島との縁が深く、我が家の子供たちも半分は奄美の血を受け継いでいる。そんな縁もあって琉球展を観に行ったのだが、やや物足りなさ...

先生とわたし

四方田犬彦著「先生とわたし」(新潮文庫)を読んだ。由良君美が書いた「吉里吉里人」の文庫版あとがきを読んでこの本のことを思い出し、数日で読み上げた。自分が駒場に通った時期は由良君美が退官する直前の時期だったのだが、当時は「...

吉里吉里人

井上ひさし著「吉里吉里人(上・中・下)」(新潮文庫)を読んだ。長年気になりつつも、500頁を超える文庫が3冊という分量に多少二の足を踏み、5、6年前に購入した上巻だけが本棚に積まれていたのだが、読み始めてみると10日ほど...