マタイ受難曲(BCJ)

東京オペラシティでバッハ・コレギウム・ジャパンのマタイ受難曲を聴いた。初めてマタイ受難曲に触れた記憶はタルコフスキーの映画「サクリファイス」で流れた第39曲で、もう35年も前のことになるが鮮明に憶えている。その後、結婚した頃に購入したサイトウ・キネン・オーケストラのCDを妻が折に触れてかけるのを聴くことはあっても、正面から向き合って聴く機会は久しくないままに時が過ぎ、今回、初めてコンサートで聴く機会を得た。特に主なソリストの歌唱が素晴らしく、音楽そのものを楽しんで聴き始めたのだが、如何せん知識が乏しいため、第1部の途中からパンフレットで歌詞を追いながら聴くこととなり、そのためかこの曲の宗教音楽としての成り立ちに意識が向けられ、第65曲のアリアが深く印象に刻まれることになった。これからもこの曲に触れる機会は多くあるだろうと思うけれど、今回、コンサートでこの曲を聴く機会を持てて良かったと思う。