東京・春・音楽祭の「東博でバッハ Vol.67 津田裕也」を聴いた。昨年4月の「辻本玲チェロ・リサイタル」で津田裕也のピアノを聴いて、ソロでの演奏を聴いてみたいと思っていたところ、この機会があったので迷わずチケットを購入した。バッハのパルティータは、イギリス組曲やフランス組曲よりも手が伸びないやや苦手意識のある作品なのだが、今回は特に第2番に惹かれて、何故だかハーヴェイ・カイテルを思い出しながら聴いていたりした。そう言うと抑制の効いた渋めの演奏に感じられるかもしれないが、滋味のある芯の通った演奏が最後の第6番に向かって熱く盛り上がっていく、といった素敵な演奏会だったように思う。会場の東博平成館の石張りのラウンジが教会のような響き方をすることもあってだろうか、演奏者が近くに感じられて、音の重なり合いにも魅力を感じた。津田裕也のベートーヴェンやシューベルトなども聴いてみたいと思った。