響きと怒り

ウィリアム・フォークナーの「響きと怒り」(高橋正雄訳、講談社文芸文庫)を読んだ。手元の文庫本は2004年の第8刷で、手元に同じ頃の刷がある「サンクチュアリ」、「八月の光」、「アブサロム、アブサロム!」といった作品はこの頃...

田村隆一

田村隆一の名前に最初に触れたのは、大学生の頃、山川直人監督「ビリイ☆ザ☆キッドの新しい夜明け」の中で高橋源一郎が「日本の三大詩人は、谷川俊太郎、田村隆一、そして中島みゆきですね」と話すのを聞いたときだったと記憶している。...

巨匠とマルガリータ

ブルガーコフ著、水野忠夫訳「巨匠とマルガリータ」(岩波文庫)を読んだ。面白かった。1930年代に書かれた作品だが、初読の自分にとっては小説の地平を拡げていくような新しい魅力に満ちた読書だった。尽きることのない荒唐無稽でエ...

小説の技法

ミラン・クンデラ著、西永良成訳「小説の技法」(岩波文庫)を読んだ。小説論を読むことはあまりないのだが(思いつくのは保坂和志の小説論くらいだろうか)、クンデラの作品は、随分以前に「存在の耐えられない軽さ」と「冗談」を読んだ...