ジェームズ・C・スコット著「反穀物の人類史 国家誕生のディープヒストリー」(みすず書房)を読んだ。出張に出かけた街の書店で「みすず書房創業75周年フェア」の棚にあった本の中から、題名と書店員さんのポップに惹かれたこの本を、前書きをちょっと立ち読みしてから購入した。国家というものの振る舞いや、穀物農業の果たした役割、家畜化、人口、無国家民=「野蛮人」の歴史など、いろいろと考えさせられし、イメージが喚起された。10代の終わり頃に読んだ「国家に抗する社会」を再読してみようか、「文明崩壊」のページを捲ってみようか、あるいは久しぶりに「パイレーツ・オブ・カリビアン」を観てみようかなどと思っている。
Walls & Bridges(東京都美術館)
少し前になるが、東京都美術館で「Walls &Bridges 世界に触れる、世界を生きる」を観た。「記憶という言葉から導かれる不思議な親和性」、「生きるよすがとしてのアート」という紹介に惹かれて足を運んだのだが、作品に接して、これは形を変えた「祈り」ではないか、自分を声高に主張するわけではなく、何かに祈るような姿勢が心を打つのではないか、そんな印象を受けた。
野反湖
野反湖まで日帰りで出かけてきた。最初に訪れたのは1993年のことで、その後、ソロキャンプ、家族でキャンプ、今日のような日帰りと、毎年のように足を運んでいる。朝7時過ぎに着いたときは雨が降っていて、風が強く、湖面に白く波が立っていた。



海、リビングルーム、頭蓋骨(東京都現代美術館)
東京都現代美術館でMOTアニュアル「海、リビングルーム、頭蓋骨」を観てきた。「海」は生真面目なペーソスが面白かったし、「リビングルーム」も丁寧に作られた力作だと思ったけれど、自分は「頭蓋骨」、というかマヤ・ワタナベの作品、特に「境界状態」を一番楽しんだかもしれない。カメラの動き、フォーカシング、それから光と色だけでリズムを持たせた長回しの時間の感覚に、いつもとは違う思考回路が刺激を受けたような気がする。