東京シティ・フィル第383回定期演奏会

東京オペラシティのTCPO第383回定期演奏会で、高関健が指揮し、ソリストにオンド・マルトノの原田節、ピアノの児玉桃を迎えたメシアンの「トゥーランガリラ交響曲」を聴いた。都内のオーケストラも、最近では新日本フィルや東フィルが演奏し、数年前にはN響や都響も演奏していたようなのだけれど、自分はこの交響曲の録音も聴いたことがなく、初めて聴くことになったのだが、オンド・マルトノとピアノだけでなく、チェレスタ、ジュ・ドゥ・タンブル、ヴィブラフォン、8人の奏者が奏でる各種打楽器を加えた大編成のオケがバランスと統率の取れた音楽を繰り出す様子は大変な迫力で、85分間の演奏を聴き終えた時には軽く肉体的な疲労を感じるくらいだった。ピアノのカデンツァは印象的だったけれども、個々の楽器が歌う演奏というよりも、複雑なリズムと音色のフラクタルが繰り広げられる音楽といった印象で、馴染みの薄い現代的な性格の曲を聴き取ろうとしたことが疲れを招いたのかもしれない。やはり一度聴いただけで味わうことは難しく、録音を聴いてみようと思うのだけれど、このコンサートのライブ録音はCD化されないだろうか。録音されていたようなので、近いうちに発売されないか期待している。