トレヴァー・ピノック/紀尾井ホール室内管弦楽団

東京文化会館小ホールで、東京・春・音楽祭の「トレヴァー・ピノック指揮 紀尾井ホール室内管弦楽団」を聴いた。トレヴァー・ピノックの名前を知ったのは高校2年生の夏に村上春樹の「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」を読んだときだった。主人公がレンタカーの中でトレヴァー・ピノックのブランデンブルクを聴いていた。その後でピノックのブランデンブルクを図書館かどこかで探して聴いてみたのか、今となっては記憶がないけれど、おそらくリヒターやカザルスの録音も探してみたんだろうと思う。ブランデンブルクは何故か年末年始に聴くことが多い。我が家のCD棚にはレオンハルトの録音しか見当たらないので、毎年レオンハルトを聴いてきたのだろう。前置きが長くなったけれど、今日の演奏はブランデンブルクの第3番とゴルドベルク変奏曲で、後者がメインのプログラムだった。ゴルドベルクは繰り返しを省略しない演奏で、第15変奏と第16変奏の間に休憩が入った。活き活きとした弦楽も素晴らしかったけれど、木管(特にクラリネット)の演奏が印象深かった。そもそも小規模なオーケストラのために書かれた曲であるかのように、それぞれの旋律がそれぞれの楽器の響きに馴染んでいるように感じられたのだけれど、やはりピアノの演奏も聴いてみたくなって、帰宅してからロザリン・テューレックの演奏を聴いた。