神護寺展

東京国立博物館で「創建1200年記念特別展 神護寺 空海と真言密教のはじまり」を観た。ご縁があって招待券をもらった妻に誘われて、何の予備知識もなく、むしろ谷中のSUGIURAでのランチや山内屋のお酒を楽しみに出掛けたのだが、9世紀の両界曼荼羅(会期の前半は胎蔵界、後半は金剛界のみ)や本尊の薬師如来像、そして空海の真筆など、大いに見応えのある展示だった。特に両界曼荼羅は圧巻で、最近のテレビ番組で修復作業の様子に触れていたこともあってか、この作品や仏教・密教が日本の思想や文化に与えてきた影響に思いを巡らせながら優に1時間は眺めていられるインパクトがあり、個人的には「神護寺展」というよりも「両界曼荼羅展」、あるいは「神護寺-両界曼荼羅と1200年の歩み」と言いたくなるような力があった。会期が始まって最初の週末ということもあってか、それなりに来場者は多かったのだが、中国語を頻繁に耳にした。中国語圏の方の関心を集めているのだろうか。展示品が里帰りしてから、できれば紅葉の季節にでも京都の神護寺に行ってみたいと思っている。