東京シティ・フィル第369回定期演奏会

東京オペラシティでTCPOの第369回定期演奏会を聴いた。1曲目のR.シュトラウスのばらの騎士(第1幕及び第2幕より序奏とワルツ集)には、何故か音楽に対するあたたかい厳しさと愛情を感じて、唐突だけれどもこんな仕事をしたいという心持になったりして、記憶に残る経験になった。2曲目のシマノフスキのヴァイオリン協奏曲第1番も、美しい針葉樹のように立ち上がる南紫音のヴァイオリンが森のホールでオケと響き合うといった趣の清冽な緊張感を湛えた素晴らしい演奏だったと思う。3曲目のベートーヴェンの交響曲第3番も、久しぶりに聴いたのだが、改めてベートーヴェンらしいある種の逸脱していく力が感じられるように思えて、面白かった。聴衆からも心地よい波動を受け、高関健のプレトークも興味深く、コンサートを通じて上質な時間を愉しむことができた。今シーズンからTCPOの定期会員になった。オケの定期会員になるのは初めてのことで、1年間を通じてTCPOがどんな音楽を聴かせてくれるのか、とても楽しみにしている。