誰かひとり/回復する人間

中野ザ・ポケットで「誰かひとり/回復する人間」(演出:西本由香)を観た。ノーベル文学賞作家であるヨン・フォッセの「誰かひとり」と、ハン・ガンの「回復する人間」を続けて上演するということで、今年に入ってから妻と三女に薦められて「別れを告げない」を読み、ハン・ガンの作品が気になっていたこともあって(「菜食主義者」はそれほどでもなかったのだけれど)、チケットを購入した。ふたつの作品は、いずれも家族という身近な繋がりにおける人と人の関係の難しさを描いていて、「誰かひとり」では、息子、母、父という3人の登場人物のそれぞれをふたりのキャストの対話で描くことで微妙なブレや揺らぎを生じさせ、「回復する人間」では、おなじシーンを何度も繰り返しつつバリエーションの違いを生じさせることで微妙なブレや揺らぎを生じさせる、シンプルだけれども象徴的な赤い花を舞台奥に配した美術と、効果的な音楽、そして役者さんたちのしっかりとした存在感と相俟って、そんなブレや揺らぎの中から芝居の魅力が立ち上がってくる、そんな素敵な舞台だった。この日は朝からチケットぴあのMyチケットにアクセスできず、チケットを持たずに会場に出掛けたのだけれど、受付で気持ちよく対応していただいて、無事に芝居を楽しむことができた。ご対応いただいたスタッフの方々にも感謝している。