東京芸術劇場シアターイーストで演劇団体[関田育子]の『under take』を観た。ステージの床を1.5枚分取り除いて客席から奈落を見せて、両脇と正面の階段から役者が舞台と奈落を行き来し、舞台奥の2つの扉からはその奥のバックステージの廊下が覗き、舞台の床と壁面は黒く、一切物は置かれず、役者は普段着で演技するというシンプルな舞台設計だった。Family Affair的なエピソードがぽつんぽつんを置かれたような脚本で、芝居は、さほど面白くもないのだけれど、つまらなくはない。何でつまらなくないのかなぁと思いながら観ていたのだけれど、やはり「間」かなぁ、役者と役者の物理的な「間」や、動きと動きの時間的な「間」の味わいが、開放的な舞台設定を相俟って、少し劇場の重力が軽くなったような、ステージが3センチほど浮いているような、そんな印象を受けた。上演後のアフタートークでは、「物語」との付かず離れずの「距離」を測りつつ芝居を組み立てたという話しがあったり、芝居にしかできない「映像的」あるいは「マンガ的」な表現といったコメントがあったりして、自分の印象もそんなところからきているのかもしれないと感じたりもした。