難波田龍起

東京オペラシティ アートギャラリーで「難波田龍起」を観た。難波田龍起について何の知識もなく、東京オペラシティでのコンサートの前にアートギャラリーに立ち寄ろうかと思って展覧会の公式サイトを観たところ、期待が高まる内容だったので、どんな作品に出会えるのかを楽しみにしながら出掛けたのだけれど、期待を大きく上回る出会いをもらえた展覧会だった。難波田龍起が晩年に至るまで試行錯誤と変遷を重ねながらその時々のスタイルを磨き上げていく、その挑戦する姿に励まされるのだけれど、それだけでなく、それぞれの時代の様々なスタイルに共通して感じられる静かな雄弁さ、それを生み出すある種の誠実な力強さに強く惹かれているような気がする。コンサートがなければもう少し長く絵の前にいたいと思ったくらいで、会期末までにもう一度足を運ぶことになりそうな気がする。

原初的風景A(1987年)