八ヶ岳高原音楽堂で樫本大進&アレッシオ・バックス デュオ・リサイタルを聴いた。モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ(KV380)、グリーグのヴァイオリン・ソナタ第3番、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第9番クロイツェルというプログラムで、アンコールにラフマニノフのヴォカリーズが演奏された。後半に進むにつれて徐々に温まってくるような流れで、グリーグの民族的な響きも魅力的だったが、やはりクロイツェルは耳に馴染んでいることもありヴァイオリン・ソナタの魅力を堪能することができた。アレッシオ・バックスのピアノは、どちらかというと樫本大進のヴァイオリンを立てる演奏に聴こえて、樫本大進が他のピアニストと共演したらどんな演奏になるだろうか、例えば上原彩子とのクロイツェルなんてどうだろう、そんなことを想像してみるのも楽しかった。終演後、ほぼ20年前にお会いしてからいろいろと仕事でお世話になったお二人と、そのうちお一人の奥さん、そして我々夫婦の5人で八ヶ岳高原ロッジでの夕食をご一緒したのだが、皆さまクラシック音楽がお好きでお詳しく、長年にわたり音楽を楽しんでこられたきた厚みに触れられたことや、仕事を離れてプライベートな時間をご一緒できたことが嬉しかった。次回は別府アルゲリッチ音楽祭へ、といった話も飛び出して、そんな機会が持てたら幸せなことがなぁと思ったりしている。