響きの森クラシック・シリーズVol.83

文京シビックホールでケンショウ・ワタナベが指揮する東フィルの「響きの森クラシック・シリーズ Vol.83」を聴いた。1曲目はベルリオーズの序曲「海賊」で、いつもよりもやや重心が高く、光沢のある繊細な音色で、息の長いフレーズを丁寧に歌いながら紡いでゆく音楽、といった印象を受けた。このオーケストラのロッシーニとかも聴いてみたいなぁと思ったりした。2曲目はソリストに辻彩奈を迎えたグラズノフのヴァイオリン協奏曲で、辻のやや重心が低めの落ち着いて伸びやかな音色のヴァイオリンが素敵だった。3曲目はベートーヴェンの交響曲第6番「田園」で、どことなく演奏に若々しさを感じた。元気が良いとか威勢が良いというわけではなく、颯爽とした立ち姿の指揮者の影響だろうか、何割かの奏者が10歳くらい若返って演奏しているような、そんな気持ちの若々しさと嬉しさが感じられる演奏に思えた。昨年聴いたチョン・ミュンフン/東フィルや井上道義/都響の田園も素晴らしかったけれど、今日の演奏もまた違った魅力に溢れた素晴らしい演奏だったと思う。