所沢ミューズのアークホールで樫本大進とラファウ・ブレハッチのヴァイオリンソナタを聴いた。モーツアルト(17番)、ベートーヴェン(7番)、ドビュッシー、武満(悲歌)、フランクというプログラムは、いずれの曲もそれぞれの個性があって楽しかったのだが、聴く機会が少なかったベートーヴェンの7番の魅力を改めて感じて、いくつか録音も聴いてみたいと思った。初めて聴いたブレハッチのピアノは、丁々発止というよりも、多彩な音でヴァイオリンに応じるやや落ち着いたトーンに感じられた。樫本大進の演奏は、数日前のドイツ・カンマーフィルとの演奏に劣らず素晴らしかったと思う。本来であれば聴き応えのある演奏だったのだが、隣の人が鼻を患っているのか常に寝息のような音を盛大に奏でていたり、同じ方向から一度ならずアメの包みを剥がして食べる音がしたり、チラシを落とす人とそれに怒る人がいたり、携帯のバイブレーションが鳴ったり、、、といった雑音に囲まれた席で、演奏に集中できず、残念なコンサートになってしまった。