TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション

東京国立近代美術館で「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」を観た。34のテーマ・コンセプトについて3つの美術館から異なる作家の共通点のある作品を持ち寄って展示するというキュレーションが面白かった。出品作家は110名ということで、多くの作家の作品に接することができたし、TRIOを組んだ作品同士の響き合いや、作家同士の(過去の歴史を通じた)繋がり、作品を購入し、また今回の展覧会のために選定した美術館(学芸員)の思いにも想像が及んだりして、様々な楽しみ方を用意してくれた展覧会だったと思う。個々の作品を取り上げてみても、藤田嗣治の「五人の裸婦」や萬鉄五郎の「裸体美人」といった有名な作品だけでなく、先日の国立西洋美術館の展覧会でも印象深かった辰野登恵子の作品や、アーティゾン美術館の「赤い鬼」を思い出させる菅井汲の「風の神」などなど、個人的には見応えのある作品が多かった。先週回顧展に出掛けたキリコの絵も、ブランクーシの頭部像の隣にあると、魅力が増すような気もした。会期末ということもあってか男女問わず幅広い世代の多くの人たちが来場していたけれど、落ち着いた雰囲気が保たれていて、ゆっくりと観て回ることができた。