デ・キリコ展

東京都美術館で「デ・キリコ展」を観た。お盆休みの時期ということもあってか会場が混み合っていたことや、いまひとつキリコの絵に心を寄せられなかったこともあって、小一時間で会場を後にすることになった。特に20代前半の頃に好んで聴いて、肖像が大きくプリントされたTシャツを着たりもしていたセロニアス・モンクのジャケットの絵に出会えたり、あの頃にキリコの「放蕩息子の帰還」の絵葉書を部屋に飾っていた時期があったことを思い出したりもしたのだが、今の自分はキリコとの距離が遠く感じられるというか、少しねじれの位置にいるようで、いまひとつ揺さぶられないのかもしれない。会場には若い人が多くて、自分が年寄りになって感性が鈍ってきたのか、間口が狭くなってきたのか、ちょっと寂しい気がしたりもした。