江戸時代の思い出

本多劇場でナイロン100℃の公演「江戸時代の思い出」を観た。なかなかコメントが難しいのだが、こうした3時間の力業でしか味わえない世界っていうのもあるんだな、といった妙な納得感がある。「理解不能」なものをそのまま受け止めて味わうという意味では、唐十郎の「泥人魚」もそうだったと思うのだけれど、今回はもっとナンセンスで、乾いていて、お祭り的で、笑いがあって、最初から最後まで馬鹿々々しくて、ところどころ冗長で、どことなく親密さもあって、ベテランの技と若気を忘れない攻めと遊びの匂いがあって、自分にとっては「素晴らしい!」だとか「傑作!」だとか手放しで褒めたくなるような感じではないんだけれど、観終えた後で手の中に残る確かな存在感がある。それは、結局のところ芝居を作っている人たち(と芝居が好きな観客)の存在感なんだろうなぁと思ったりもしている。