東京シティ・フィル第370回定期演奏会

東京オペラシティでTCPOの第370回定期演奏会を聴いた。藤岡幸夫が指揮するオーケストラを聴くのは久しぶりで、高関健の演奏と違いが感じられるのか少し楽しみにしていたのだけれど、料理で言えば塩の効かせ方が少し違うような気がしなくもないけれど、同じ曲を聴き比べるのとは違い、正直なところはっきりとは分からなかった。今回の演奏では、特に3曲目のヴォーン・ウィリアムズ交響曲第2番でオーケストラが伸び伸びと大らかに鳴っていたように感じた。ソリストの福間洸太朗は、妻からピアノの先生の友人として名前を耳にする機会は多かったものの、演奏を聴くのは初めてで、やや硬質な透明度が高い音に感じられた。リストの曲にはやや苦手意識があって、今回のピアノ協奏曲第2番にも馴染みがないのだが、約20分の単一楽章の音楽がとても短く感じられた。アンコールのフォーレの無言歌第3番も味わい深い演奏で、ソロのコンサートにも足を運んでみたいと思った。