N響第2004回定期公演

NHKホールでN響第2004回定期公演を聴いた。日本と米国にルーツを持つ井上道義が、日本のオケ、ロシアの独唱者、スウェーデンの合唱団と、ウクライナのキーウ近郊でナチスが3万4000人ものユダヤ人を虐殺した事件を題材としたためにソビエトの政治的な圧力を免れなかったショスタコーヴィチの交響曲第13番を演奏するという、背景に思いを馳せるだけでも複雑なコンサートだったのだが、この曲自体も、自分はほぼ初めて聴いたこともあって、複雑で大きな作品であることは感じつつも、身体に馴染ませることが難しかった。録音になると思うけれど、近いうちに再度この曲を聴いてみたいと思っている。先立って演奏されたシュトラウスのポルカやショスタコーヴィチの小品は、井上道義らしい?センスの良さと楽しさを感じさせてくれる選曲で、特にショスタコーヴィチの「リリック・ワルツ」と「ワルツ第2番」は印象深かった。そういえば去年の6月のコンサートで井上道義が振った武満徹の「ワルツ」も素敵だったと思い出したりした。