肝高の阿麻和利

文京シビックホールで「肝高の阿麻和利」東京公演を観た。15世紀半ばの三山統一時代の勝連半島を舞台とする「沖縄版ミュージカル」なのだが、何よりの特色は、出演者全員が勝連半島のある沖縄県うるま市在住の中高生であること、そしてこのミュージカルが2000年の初演から世代交代を繰り返しつつ絶えることなく350回も再演を続けていることだ。奥さんに誘われて出掛けたのだが、若い人たちの磨き上げたダンスと歌と表情の輝きがシンプルに心を撃つ素晴らしい舞台だった。故郷の歴史と伝統芸能「組踊」を豊かに取り込んだ舞台を真直ぐに創り上げる中高生の姿から、故郷を持つということについて改めて考える切っ掛けをもらえたように思う。そろそろ親世代が出演していた二代目の世代にかかる頃かと思うけれど、三代目、四代目と続いていきそうな気がした。