ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開

アーティゾン美術館で「ABSTRACTION 抽象絵画の覚醒と展開」を観た。セザンヌ、マネ、ゴッホ、ゴーギャン、ルドン、モネの並びで始まる第一室から見応え溢れる作品が連なり、解説も充実していて、力の籠った展覧会だった。20世紀初頭のパリの熱気を感じさせる作品も、戦後アメリカの経済力を感じさせる作品も、初めて出会う作品も、再会できた作品も、それぞれに魅力を感じたが、今日は、クレーの「Vision of Garden」、菅井汲の「赤い鬼」、イサム・ノグチの「独り言」、それから津上みゆきの作品に足が止まった。こうした作品に身近に接することができるのはとても有難いことで、美術館に感謝したい。あと、知的障害があって声や足音をたてる若者と前後して鑑賞する場面があったのだが、スタッフの方は温かい姿勢で接していて好感が持てた。そんなこともあって、作品を観たり解説を読んだりしながら今回は図録を買って帰ろうと思っていたのだが、サンプルのページを捲っているうちに、やっぱりまたここに来て作品を観ることにしようと思いなおしてしまい、代わりに家族に千疋屋のケーキを買って帰った。