第12回音楽大学フェスティバル・オーケストラ

東京芸術劇場で第12回音楽大学フェスティバル・オーケストラの演奏を聴いた。首都圏の9つの音楽大学の学生から構成されるオーケストラが井上道義の指揮でどんな演奏をするのかが楽しみで出掛けたのだが、期待していた以上の素晴らしい演奏だった。「春の祭典」や「天体の音楽」も良かったのだが、北海道の風土を感じさせる大らかでスケール感のある「シンフォニア・タプカーラ」の演奏が心に沁みた。昨年11月に井上道義/N響の「シンフォニア・タプカーラ」を聴いたときよりも素直に音楽が身体に入ってきたような気がする。その理由は、自分のコンディションかもしれないけれど、稠密度や解像度の高いプロオケの音のイメージよりも、スペース感のある学生オケの音のイメージの方がしっくりきたのかもしれない。公演を知ってチケットを購入したのが1週間前だったこともあり、S席(2000円!)は全席売り切れで、3階のA席(1500円!)しか手に入らなかったのだが、オケの音は3階席まで十分に届いてきたので、そんなオケとの距離感が幸いしたのかもしれない。今回初めて聴く機会を得たのだが、来年も音楽大学フェスティバル・オーケストラの演奏を聴いてみたいと思った。