ゲルハルト・リヒター展

東京国立近代美術館で「ゲルハルト・リヒター展」を観た。月に一度くらいは美術館に足を運んでいるのだが、ひとりの作家を特集した企画展を観たのは久しぶりで、作家の個人史や時代の移り変わり思い起こしつつ、取り組みの変化や広がりを考えながら作品を観て回る楽しさを味わうことができた。1960年代から1980年代の初期の作品は少なかったと思うのだが、そこから1990年代以降の、特に2010年代の力強いアブストラクト・ペインティングに至る静かなパワーにやはり魅力を感じた。自分はカメラを肩から提げつつ写真は撮らなかったのだが、撮影自由ということもあって、写真を撮る人が非常に多く驚いた。絵葉書でも買って帰ろうかと思ったのだが、ショップの混雑具合も尋常ではなく、記憶だけを持ち帰ることにした。