私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ(東京都現代美術館)

東京都現代美術館でMOTアニュアル「私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」を観た。MOTアニュアルという視覚芸術を基礎にした場所で言葉をテーマに据えることの難しさだろうか、今年のMOTアニュアルは昨年と比較すると身体にストレートに伝わってくる(言葉であっても言葉を介さずに伝わってくる)波動が弱いようにも思えた。「私の正しさは誰かの悲しみあるいは憎しみ」という名前と展示の斬り結びも、自分にはシャープには感じられなかった。同時に開催されているMOTコレクション「コレクションを巻き戻す 2nd」は、時代を感じさせる作品が多く楽しめたし、石内都の大きなプリントをゆっくりと観ることができて嬉しかった。もっとも、多くの人に強い印象を与えるであろう遠藤利克の作品「泉」は、自分には炭化した死骸のように見えて痛々し過ぎた。