幻想ポロネーズ

妻のピアノの腕前は、フルマラソンで言えばサブフォーくらいだろうか。音大を目指すように本格的に取り組んだ時期があるわけではないけれど、ピアノが好きで結婚したときからずっと弾き続けている。その時々で興味を持った曲を弾いたり、子供たちのレッスンに付き添って同じ曲を弾いたりしていたが、5年ほど前から先生に就いて習うようになって、格段にピアノの音が良くなったと思う。その妻が、ショパンの曲の中で一番好きだという幻想ポロネーズの練習を始めた。自分は、この曲が多くの人たちに愛されていることは知りつつ、あまり親しめていなかったので、これを機に家にあるCDの録音を集中的に聴いてみた。人気がある曲だからだろう、特に集めたわけではないのに、ホロヴィッツ(1951、1966)、ルービンシュタイン(1964)、アルゲリッチ(1967)、フランソワ(1968)、ポリーニ(1975、2015)、ダン・タイ・ソン(1996)、ラローチャ(1997)、アシュケナージ(1999)、ブーニン(2005)、ピレシュ(2008)と12種類の録音があった。随分前になるが、バラード4番を同じように聴き比べたときよりも録音の種類が多かったかもしれない。こうして聴き比べてみると様々な演奏があり、繰り返し聴くことで、捕えどころなく感じていたこの曲が身近になり、好きになることができた。自分は、この曲のPersonalでIntimateな魅力が感じられるフランソワの演奏が好きだ。ピレシュの演奏も好きで何度も聴いた。YouTubeで聴いたショパンコンクールでのKate Liuの演奏も素敵だと思った。