野反湖・白砂山

月に一度は拝見している「野反湖うらやまガイド」のブログを見て、ノゾリキスゲが満開に近いことを知り、野反湖に行ってきた。この時期の野反湖に来るのは数年ぶりかと思うが、一斉に花が開いて湖畔が黄色く染まる風景の祝福感に心が洗われる。

今回の目的は白砂山に登ること。8時に登山口を出発し、稜線に出た時には山頂が青空にくっきりと映える晴天だったのだが、11時に山頂に着いたときには南側の視界は雲に遮られていた。群馬、長野、新潟の3県境まで足を延ばしてから山頂に戻り、軽い昼食を取ってから帰路についたのだが、緩い下り坂で足首を捻ってしまい、八間山は回らずに2時間30分ほどかけて下山した。

野反湖には2、30回は来ているはずだが、山登りは長女と次女が小学校低学年だった頃の記憶しかない。そういえばあの時もノゾリキスゲが満開だったと思い、昔の写真を確かめてみると、2008年7月20-21日にキャンプに来て、三壁山、高沢山、カモシカ平、エビ山を回っていた。子供が小さかった頃は帰宅途中で尻焼温泉に立ち寄ったのだが、この日は八ッ場ダムに沈む前の川原湯温泉の王湯に立ち寄った写真があった。偶然だが今回も、白砂山の登山を終えたあと、八ッ場ダムの脇に造成された新しい川原湯温泉の王湯に初めて立ち寄った。景色の良い露天風呂から水位の下がったダム湖を見下ろし、王湯の受付で地元の人達の何気ない日常会話を耳にし、誰も歩いていない区画の整った夕方の温泉街を歩きながら、街と人と社会と時間の在りようについて思いを巡らせた。