第九特別演奏会(高関健/東京シティ・フィル)

東京文化会館で高関健指揮/東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団のベートーヴェン交響曲第9番を聴いた。昨年1月にサロネン指揮/フィルハーモニア管弦楽団のマーラー交響曲第9番を聴いて以来のほぼ2年ぶりのコンサートで、久しぶりのオーケストラの音、それも練られて磨かれた音に第1楽章から感情がひどく昂ってしまった。第2楽章になってやっと落ち着きを取り戻し、対向配置のオーケストラの効果に思い至ったような具合で、第3楽章は上手と下手の掛け合いをじっくり愉しむことができた。第4楽章も、合唱団がマスク着用となってしまったことは残念だが、オーケストラもソリストも合唱も素晴らしい演奏だったと思う。交響曲の前に演奏されたフランセ作曲「ファゴットと11の弦楽器のための協奏曲」も、大内秀介のファゴットと小編成の弦楽器のアンサンブルの妙が素敵だった。高関健の第九が聴きたくて今年の第九はこのコンサートを選んだのだが、心から良い経験ができたと思う。次回のコンサートは、来年3月に同じく高関健指揮/東京シティ・フィルのマーラー交響曲第9番を聴きに行く予定で、以前からとても楽しみにしているのだが、第九を聴いてさらに期待が高まった。