映画2本

昔、大学で北米移民の勉強をした奥さんのチョイスで、夕食を食べながら「ウエスト・サイド・ストーリー」(ロバート・ワイズ、ジェローム・ロビンズ監督)と「ミナリ」(リー・アイザック・チョン監督)を観た。「ウエスト・サイド・ストーリー」は、やっぱり「アメリカ」のダンスシーンはゴージャスだね、とか、1年間のNYでの留学生活の折に公園で触れ合った中米からの歳若い出稼ぎベビーシッターの人たちのことなどを話しながら賑やかに楽しんだのだが、別の日に観た「ミナリ」は、この映画が多くの人の心を揺り動かして、韓国で100万人を超える人が映画館に足を運んだという事実をすんなりと理解できず、置き去りにされたような感触が残ってしまった。米国で職探しをしていた韓国人留学生と、帰国が大前提だった日本人留学生の間に温度差があったように、自分には、移民という体験の肌触りが分かっていないのだろうと思う。そんなことを思いながら、NHKのETV特集「消えた技能実習生」を観てみたり、本棚からセバスチャン・ザルガドの写真集「MIGRATION」を出してきて眺めてみたりしている。