財務次官、モノ申す

10月31日の衆議院議員選挙を前にして現役財務事務次官の文藝春秋への寄稿「このままでは国家財政は破綻する」が話題になっていたので読んでみた。このつながりで、ネット検索で目を引いた参議院のサイトにあるいくつかの財政リスク関係のレポートを斜め読みし、参考文献にあったカーメン・M・ラインハート、ケネス・S・ロゴス著、村井章子訳「This Time Is Different(国家は破綻する)」(日経BP社)と天達泰章著「日本財政が破綻するとき」(日本経済新聞社)、それから伊藤隆敏著「日本財政『最後の選択』」(日本経済新聞社)をざっと読み、その後、併行して読んでいた下山達著「2050年のジャーナリスト」(毎日新聞出版)で紹介されていたステファニー・ケルトン著、土方奈美訳「財政赤字の神話 MMTと国民のための経済の誕生」(早川書房)を興味深く読んだ。自分は政治や経済とは縁が遠い一市民だが、日本の財政のあり方は、多くの人達にとって大きな問題だと思う。選挙関係の報道は、主に日経や朝日の記事を読み(朝日新聞と東大谷口研究室の共同調査など)、テレビのニュース番組を偶に眺めていた程度だが、政治家もメディアも、この問題について世間に理解や議論を求める姿勢が希薄すぎるように思う。