大澤壽人

NHKのクラシック音楽館「日本のピアノ」(2021年10月10日初回放送)で大澤壽人のピアノ協奏曲第3番を聴いて興味を持ち、2017年9月3日のサントリーホールでのライブを録音した「大澤壽人の芸術」(DENON)とNAXOSレーベルの大澤壽人作品のCD2枚を購入して聴いた。1930年から1936年までボストンとパリで学んだ大澤壽人が1934年から1938年までの間に作曲した交響曲3曲と協奏曲3曲を聴くと、当時の若い日本の音楽家が欧米の最前線の音楽家の感受性と響き合っていたことが感じられて、戦争と戦後の長い時間を経てもその色褪せない音楽の輝きに何を想えば良いのか、音楽そのものを楽しみつつも、芸術の力と無力について考えさせられた。